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訪問看護師の安全確保に向けて

この度、大阪市西成区で発生した訪問看護師が患者から切りつけられるという痛ましい事件に対し、一般社団法人訪問看護支援協会は、深い悲しみと強い憤りを覚えます。負傷された看護師の方に心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早いご回復をお祈りいたします。

報道によれば、事件は4月7日午前9時ごろ、訪問看護師の女性(26歳)が集合住宅で訪問看護中に発生しました。男(86歳)は刃渡り約16センチの包丁で看護師の顔付近を切りつけようとし、防ごうとした看護師は左手に全治約1か月の重傷を負いました 。  

近年、訪問看護の現場において、看護師、ナースをはじめとする看護職が患者や利用者からハラスメントや暴力行為を受ける事例が報告されており、その安全確保が重要な課題となっています。2022年1月に埼玉県ふじみ野市で発生した医師等殺傷事件は、医療従事者への暴力という深刻な問題を社会に突きつけました 。  

当協会広報部長の坪田康佑は、訪問看護支援協会入会以前より、カイポケ訪問看護マガジン(#過去執筆文参照)にて2024年8月20日に「起きてからでは遅い!訪問看護の防犯・カスハラ(カスタマーハラスメント)対策を進めよう」を執筆するなど、訪問看護におけるカスタマーハラスメント問題の啓発に努めてまいりました。

▼カイポケ訪問看護マガジン「起きてからでは遅い!訪問看護の防犯・カスハラ(カスタマーハラスメント)対策を進めよう」

https://houkan.kaipoke.biz/magazine/management/column-customer-harassment.html

また、一般社団法人日本男性看護師会においても、7年間にわたり同様の問題提起を継続し、厚生労働省との打ち合わせを重ねるなど、訪問看護師の安全と労働環境改善のために尽力してまいりました。おかげ様で令和6年には、地域医療介護総合確保基金がカスハラ対策に使えるようになりました。

こうした背景を受け、警察庁および厚生労働省は、医療従事者の安全確保に関する通達を出すなど、対策に乗り出しています。また、東京都、群馬県、北海道などでは、カスタマーハラスメント防止条例も施行されています 。  

当協会は、今回の事件を重く受け止め、関係機関と連携し、訪問看護師が安全に業務を遂行できる環境づくりに向けて、より一層の支援を行ってまいります。

訪問看護は、高齢化社会における地域包括ケアの重要な柱であり、看護師は地域医療を支える不可欠な存在です。私たちは、看護師が安心してその専門性を発揮できるよう、全力で支援してまいります。

広報部長 坪田康佑

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