訪問看護支援協会の広報部長を務める坪田康佑です。
訪問看護の現場におけるハラスメント問題は、訪問看護師が安心して業務を遂行するために、早急に解決すべき重要な課題です。
この問題に対し、関係団体が積極的に対策に乗り出しています。
一般社団法人全国訪問看護事業協会及び公益財団法人日本訪問看護財団は、合同で「訪問看護におけるカスタマーハラスメントの状況調査」を実施し、その結果を公表しました 。
この調査は、2025年4月7日に大阪・西成区で発生した、訪問看護師が利用者から切りつけられるという痛ましい事件を契機に行われたものです 。
調査結果によると、訪問看護事業所の職員(管理者も含む)から、過去にカスタマーハラスメントを受けたと報告されたことがあるのは、回答事業所の約65%に上ることが明らかになりました 。
ハラスメントの種類としては、「威圧的な言動」「精神的な攻撃」「性的な言動」の順に多いことも報告されています 。
これらの調査結果は、訪問看護現場におけるハラスメントの実態を明らかにし、対策の必要性を強く示唆するものです。
一方で、当協会も、医療現場の暴力防止に関するオンライン署名活動を実施するなど、ハラスメント対策に積極的に取り組んでいます。
関係団体がそれぞれ実態調査や署名活動といった異なるアプローチで問題解決に取り組んでいることは、訪問看護業界全体として、目指す方向は同じであることを示しており、訪問看護師の皆様にとって、心強いメッセージとなるのではないでしょうか。
今後も、関係団体と連携しながら、訪問看護師が安心して働ける環境づくりに貢献できるよう、尽力してまいります。
参考資料
- 一般社団法人全国訪問看護事業協会及び公益財団法人日本訪問看護財団による調査報告書:https://www.google.com/search?q=https://www.jvnf.or.jp/katsudo/kenkyu/2025/r7_chosa_harassment.pdf