ごきげんさまです。訪問看護支援協会 広報部長の坪田康佑です。
日頃より、在宅医療の最前線でご尽力されている看護職の皆様に、心からの敬意を表します。さて、本日は2025年東京都議会議員選挙に立候補される方の中から、特に私たち訪問看護に携わる者にとって注目すべき候補者をご紹介したいと思います。現場の課題を深く理解し、その解決に向けて政治の場で声を上げようとされている田口由理氏です。
注意:特定の政党を応援するつもりはありません。訪問看護経験者が挑戦されていることを紹介です。

訪問看護のキャリアが政治に繋がる時
田口由理氏は、20年という長きにわたり看護師としてご活躍されてきた方です。そのうち6年間は訪問看護に専念され、在宅医療の現場における多岐にわたる課題と、そこに暮らす人々の現実を肌で感じてこられました。
大学病院での勤務を通じて「命と向き合う」医療の厳しさを経験され、結婚・出産後も看護師として職務を継続。子育てと両立しながらの夜勤経験は、多くのナースが直面するワークライフバランスの課題を深く理解されていることの証左でしょう。さらに、東日本大震災後の原発事故、ご自身の乳がん罹患という経験は、「看護する側」から「看護される側」への視点をもたらし、患者様とそのご家族に寄り添う看護の真髄を体現されてきたと言えます。
訪問看護の現場で、田口氏は「様々な理由で適切な医療を受けられない人々」を目の当たりにされたとのこと。この経験から、「あらゆることに政治が関係している」という強い信念を抱き、まさに私たち医療従事者が日常的に直面する課題の根源に政治があると認識されている点が、非常に重要であると考えます。
現場の課題解決に向けた具体的な政策提言
田口氏が掲げる政策は、「れいわ新選組」の公約にもとづくもので、看護職の視点から見ても非常に現実的かつ実践的な内容が含まれています。
特に、都の財政状況に言及し、その豊富な財源を都民の生活支援に活用する「積極財政」の姿勢は、私たち医療現場の「人手不足」や「待遇改善」といった切実な課題解決にも繋がり得ると期待されます。また、高齢化が進む東京において、住宅政策や防災対策の充実は、訪問看護を必要とする方々が安心して暮らせる環境を整備する上で不可欠な視点です。
私たちが常々問題意識を持っている点として、東京都の医療・福祉分野における予算配分の偏りがあります。例えば、カスタマーハラスメント対策の予算、これは医療現場で働く私たち全員にとって喫緊の課題であり、特定の部署だけでなく、現場全体に公平に配分されるべきものです。また、訪問看護を含む在宅医療の予算配分において、訪問薬剤師に8000万円が割り当てられる一方で、医師・看護師を合わせた在宅医療全体に5000万円というアンバランスな状況は、まさに「ひいき」としか言いようがありません。このような不均衡は、チーム医療における職種間の連携を阻害し、「嫉妬」を生み、結果として医療提供体制の「機能不全」を引き起こす要因となりかねません。
田口氏のような訪問看護の現場を知る方が政治の場に進出することで、このような歪みが是正され、真に患者中心の、そして医療従事者全員が働きがいを感じられる公平な医療体制が構築されることを切に願います。
訪問看護の未来を拓くために
私たち訪問看護支援協会は、看護職の皆様が誇りを持って働き続けられる環境づくりを支援しています。田口由理氏のように、現場の苦悩を理解し、その解決に向けて行動を起こそうとする候補者の存在は、私たちにとって大きな希望です。
今回の都議会議員選挙は、私たちのキャリア、そして看護の未来を大きく左右する可能性があります。ぜひ、皆様もこの選挙に関心を持ち、ご自身の「声」を届ける機会として捉えていただければ幸いです。