最新イベント情報・トピック

訪問看護のカスタマーハラスメント緊急調査に関して

皆様、こんにちは。一般社団法人訪問看護支援協会の広報部長を務めております、坪田康佑です。

いつも当協会の活動にご理解とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。

さて、今日は皆様に、同じ訪問看護に携わる仲間である公益社団法人訪問看護財団が、非常に重要な緊急調査を実施していることを個人的にお伝えしたく、筆を執りました。今回の件は、決して他人事ではなく、私自身の長年の問題意識と深く関わっているからです。

先日4月7日、大阪市西成区の集合住宅で、訪問看護師が療養者の方に刃物で切りつけられるという痛ましい事件が発生しました。心よりお見舞い申し上げますとともに、このような悲しい出来事が二度と起こらないよう、私たち訪問看護に関わる全ての人間が真剣に考え、行動しなければならないと強く感じています。

訪問看護は、ご利用者様やご家族の意向を尊重し、子供から高齢者まで、様々な病気や障がいのある方が、住み慣れたご自宅で安心して生活できるよう、心身の健康の向上や生きがいのある暮らしを支える大切な役割を担っています。その前提には、ケアを提供する私たち看護師と、ケアを受けられるご利用者様、そしてご家族との間の信頼関係が不可欠であることは言うまでもありません。

今回の事件は、その信頼関係を根底から揺るがす、決して許されることではない行為です。しかし、残念ながら、訪問看護の現場では、言葉や態度によるハラスメント、いわゆる「カスタマーハラスメント」が、決して稀なことではないという現実も、私たちは目を背けることなく受け止めなければなりません。

私自身、広報部長という立場である以前に、一人の訪問看護に携わる人間として、この問題に強い危機感を抱いてきました。昨年は、在宅看護学会と在宅ケア学会において、カスタマーハラスメントをテーマにした企画をさせていただきました。多くの方々とこの問題について議論を交わす中で、その深刻さを改めて痛感した次第です。

また、日本男性看護師会の理事としても、約7年前から厚生労働部会で訪問看護における安全対策の必要性を訴え続けてきました。その活動が実を結び、昨年からは地域医療介護総合確保基金を活用して防犯グッズを購入できるようになったことは、小さな一歩かもしれませんが、現場の安全確保に向けた大きな前進だと感じています。

公益社団法人訪問看護財団がこの度実施する緊急調査は、まさにそうした長年の課題意識と問題提起が背景にあるものと理解しています。訪問看護提供中に起こりうるカスタマーハラスメントの実態を詳細に把握し、今後の具体的な対策を講じるための、極めて重要な一歩となるでしょう。

【緊急調査】訪問看護提供中のカスタマーハラスメントについて

  • 調査期間: 令和7年4月11日(金)~16日(水)

この調査を通じて、現場で働く訪問看護師の皆様がどのような困難に直面しているのか、その実情を深く理解することが、今後の訪問看護のあり方を考える上で不可欠です。

もちろん、私たち一般社団法人訪問看護支援協会も、訪問看護に携わる皆様が安心して業務に取り組める環境づくりを目指し、様々な支援を行っております。今回の公益社団法人訪問看護財団の緊急調査の結果を真摯に受け止め、連携を図りながら、より一層、訪問看護の現場が抱える課題解決に向けて取り組んでいく所存です。

この調査へのご協力は、決して他人事ではありません。もし、このメッセージをご覧になっている訪問看護師の方、あるいは訪問看護ステーションの管理者の方がいらっしゃいましたら、ぜひこの緊急調査にご協力いただけますよう、心よりお願い申し上げます。

皆様一人ひとりの声が、より良い訪問看護の未来を創る力となります。

一般社団法人訪問看護支援協会 広報部長坪田 康佑

関連記事

TOP